最近、中間管理職目線で色々と書いております。
今回は面接における「失敗談」について考えてみたいと思います。
面接する側もされる側も、参考になるかと思います。
採用面接
中間管理職の仕事の一つに、採用がございます。
もちろん人材登用計画なんぞ御大層なものは本社のお偉方がお決めになります。
我々が行うのは現場の仕事。
そう。
一次面接です。
志望動機に自己PR、スキルや過去の実績などなど。
履歴書や職務経歴書をもとに、色々な事を聞かせていただきます。
基本的な事を聞いた後、私が必ず聞く質問があります。
それが「失敗談」です。
なぜ「失敗談」を聞くのか?
採用にあたって、失敗談を応募者に聞く事で、多くの事がわかります。
- その人にとっての「失敗」とは何か
- それは自己の責任なのか、はたまた他人や状況の所為にしているのか。
- 間違えた、ということに対してどういう反応をしたのか
- どのようにリカバリーしたのか
- そこから何を学んだのか
枚挙にいとまがありません。
限られた時間の面接で、多くの情報を得なくてはなりませんので、
これは有効な質問と言えます。
ではなぜ「成功談」ではなくて、「失敗談」なのでしょうか
なぜ失敗が重要なのか
失敗しない人間はいません。
最も成功した投資家の一人ウォーレン・バフェットでも、打率100%とは到底言えないそうです。
〇元首相でも不適切な発言から世界中からダメ出しを受けます。
ですが彼らは(私から見て)、「失敗者」というよりは「成功者」に見えます。
大切なのはその失敗を糧に、「次どうするか」ということです。
失敗から「次」に目を向けられるか否か。
ビジネスにおいて、非常に重要な要素のひとつであると断言できます。
それゆえに、私は失敗談とその後の行動を聞くのです。
失敗談ケーススタディ
面接時に私が失敗談を聞くのは、嫌がらせではありません。
応募者が「失敗をどう捉え」「そこから何を学び」「そしてそれをどう活かしたか」。
これが聞きたいための質問です。
もちろん質問を重ねれば色々わかりますが、我々中間管理職には限られた時間しかありません。応募者も同じく、たくさん喋らせてもらえるとは限りませんね。
以下に実例交えて検証してみましょう。
例1
「オーダーミスをしてしまい、お客様に物凄くお叱りを受け、上司にも大変迷惑をかけてしまいました。お客様には直接出向いて謝罪し、上司には報告書を自主的に提出。再発の防止策もメンバーに共有しました」
オーダーミス、受注ミス、発注ミス…
今日もどこかできっと生まれてますね。
おそらく百年後もなくなっていないでしょう。
だからミスしたこと自体は、別に悪印象にはなりにくいです。
この場合、
- 「お客様に直接謝る誠実さ」
- 「指示通りに動くのではなく、自主的にミスをなんとかリカバーしようという責任感」
- 「失敗例を共有するし、再発防止に繋げようとする想像力や協調性」
などなどが伺えます。
例2
「売り上げの見込み違いで過剰な在庫を抱えてしまいました。返品ができなかったので、他の支店の仲間に連絡し、なんとか分担してもらい、事なきを得ました」
目標や目論見が甘く、過剰に在庫があまる。
創造したくないですが、全然あり得ますね。
頻発するようでは採用したくありませんが、一度や二度は仕方ありません。
そのうえで、
- 「在庫を分散してなんとか消化しようとする判断力」
- 「それが頼める仲間がいるという関係構築力や協調性」
- 「結果的にはミスを解消できている問題解決力」
などが伺えます。
失敗談を聞く(話す)メリット
上記の例だけでも、1回の問答でこれだけのことが分かります。
「あぁ、責任感があるんだな」とか
「そのミスをそこまでチャンスに切り替える判断力はすごいな」とか
「失敗談を聞く(話す)だけ」で、その人の考えや価値観、行動までも把握することができます。
これが「成功談」ではこうはいきません。
なぜ成功談ではダメなのか?
ここからは応募者側の目線になりますが、「成功談」ばかり居丈高に話し過ぎるのは考え物です。
以下に例を見てみましょう。
応募者が良かれと思って話す「成功談」のよくあるマズい例
売上〇〇%達成しました
はいこれ。
「年間目標120%達成を3年連続で成し遂げました」とか。
すごいですね。
でも10人中8人くらいは言ってきます。
確かに自分の実績を数字で把握、報告することは大切です。
しかし、自信がある、アピールになると思っての発言でしょうが、確実に他の応募者と印象がかぶります。
もし昨今の緊急事態宣言下のような外的要因で売り上げが低迷したら、どこまで踏ん張れるか、この会話では分かりません。
話すのであれば、再現性がある取り組みを行った事やその数字が対外的にどれくらいの意味を持つかなどを、具体的に話せる準備をしておきましょう。
答えられないと、「運が良かったんじゃん?」とか「「150%って言ってもその規模の売上なの?」みたいな誤解を招きます。
コミュ力高いです
はい、これもあるあるです。
「対人コミュニケーションが得意で、営業力・提案力があります」
大変結構です。
ですが、厳しい事を言うようですが、これは社会人として当たり前な能力でもあります。
そして、コミュニケーション力が高いか否かは、別に質問をせずとも、面接の間の挨拶や言葉遣い、返答の仕方などでお互い嫌でも分かります。
口でいくら「コミュ力あります」と豪語されても、目線が泳いでいたり笑顔がなかったりすると、「ウソじゃん」となってしまいます。
コミュニケーション力を裏付ける、客観的な何かを明示できるようにしましょう。
リーダーシップあります
私のこれまでの採用経験では、そこまで多かった訳ではありませんが、これもよくみかけます。
「チームを引っ張ってきました」
「リーダーを任されることが多いです」
大変結構なのですが、これも上記の例と同じく根拠や結果を具体的に明示できないと、「そう思ってるの君だけじゃん?」と誤解されてしまいます。
「成績の伸び悩んでいるメンバーをこうして改善させました」
「バラバラだった業務内容を見直す機会を定期的に設け、生産性を上げた結果がこうでした」
みたいな、具体例と数字を盛り込みましょう。
振り返り
ちょっと長文になってしまいましたが、参考になれば幸いです。
面接に限ったことではありませんが、自分の失敗を客観視でき、それを次に活かせれば無敵だと思います。
今回は自分の事は完全に棚にあげて話しました。
次回は私の失敗談を書いてみようと思います。
お楽しみに。
コメント
[…] 前回、【面接対策】面接担当者から見た「失敗談」と題して、失敗談を聞く事(話すこと)のメリットをご紹介しました。 […]