REASONユーザーにとって、無料のラックエクステンションは大変ありがたい存在です。
有料のモノが即戦力なのは言わずもがなですが、
他のDAWと異なり、REASONには「パッチング」という手段があります。
その気になれば、パッチングで複雑なパターンを組むこともできますので、
無料のラックエクステンションでその可能性が高まること請け合いです。
今日はそんな無料ラックエクステンションの中でも一際強力なシンセをご紹介。
Sinc Vereor
NOISE ENGINEERINGというメーカー製のラックエクステンション。
(※余談ですがここで働いてらっしゃる?Krisさんも大概かっちょ良いです。参照記事こちら)
その一部である「Sinc Veror」が無料で提供されています。
詳しくはこちら。
もともとはモジュラーを開発している方々なのでしょうか、インターフェースのデザインに、何やらモジュラー感を感じます。
このSinc Vereorは、とあるバンドルの中のひとつのようです。
有難く頂戴しておきましょう。
同じ無料のバンドルに「Virt Vereor」と「Ruina」というシンセとエフェクターも同梱されていますので、そちらももちろんゲットください。
オシレーター
左側の「MODE」と「SINC」ノブから変更可能。
特徴を持ったノイズ、矩形波、三角波などが聴こえます。
まずは「Mode」で欲しい波形を大まかに選択し、「Sinc」ノブで色付けしていく、と言う感じですね。
ADSR
ADSRもそれぞれ設定できます。
数値的には
- Attack:0~16second
- Decay:0~16second
- Sustain:0~100%
- Release:0~32second
- Slope:‐100%~+100%
の範囲で設定できます。
ここで特徴的なのは、「Slope」ですね。
聞いた感じだと、Attackタイム中の音の増え方の曲線をいじる感じ。
‐100だと指数関数的に音量が増し、+100だと対数関数的になる感じ。
‐100にすると面白い音色になる気がする。
Ampla
「Ampla」の意味が分からなかったのですが、ラテン語かポルトガル語のようで、
「大きさ」「幅」みたいな意味のようでした。
項目を見ると、以下の5項目を変更できます。
- Env Amount:±100%
- Pitch Track:±100%
- Filter Mix:0~100%
- Resonance:0~100%
- Cutoff:0~100%
名前的に「Amp」つまり、音量のセクションかなーと思いましたが、
その上にあるハイパス、バンドパス、ローパスの掛かり具合を決めるFilterセクションと思った方が良さそうです。
Filter Mixで、選択したFilterタイプをどれだけ反映させるか、つまりDryWetのバランスを変更できます。100に振り切ると、フィルターを通した音しか鳴りません。
Cutoffで、フィルターの開き具合を変更します。LP(ローパス)で0%だと音がしませんし、HP(ハイパス)で100%でもほとんど音が聞こえなくなります。(Sincの値による?)
Resonanceも世間一般のレゾナンスと同じく、変化する帯域を強調するか否かのバランスを変更できます。100%にしてCutoffをいじるとピーピー言います。
Env Amountがイマイチピンときませんが、Env=Envelope=音量変化だろうと考えられるので、それに伴ってフィルターの効き具合を変更できるのだろう。触っているとCutoffと逆の働きをしているような…
Pitch Trackは何に作用しているのかわからなかった。動画によると、「ピッチトラックは、フィルターの周波数が再生中のノートを追いかける量を制御」とのことだったので、演奏中に変化するフィルターの掛かり具合を変更できるのだろうか。Resonanceを100%にしてからここをいじると結構大きく変化して面白いです。面白いけど何が起きているか分からない…
Chorus
最後は「コーラス」セクション。
0、Ⅰ、Ⅱの3段階があり、数字が増えるほどにリッチなコーラスがかかる。
ただし、その分出力音量もマイルドになってしまうので、使い方に注意。
まとめ:(ほぼ)Sinc Vereorで曲を作りました
4月からBandcampデビューしております。
せっかく良いシンセを分析したので、その過程で1曲仕上げました。
ドラムとパーカッション以外はほとんどが今回取り上げたSinc Vereorのみを使って製作しました。
太いベースサウンドや煌びやかなリードサウンドに加え、どこか不安になるようなノイズなテクスチャーも表現できるので、かなり強力なシンセだと感じました。
聴くのは無料で聴けますので、お聴きになられた方は感想などいただけるとめちゃ嬉しいです!
そして何より無料でダウンロードできますので、まずはお手元に置いて、そのサウンドを聞いていただくのが一番かと思います。
プリセットも豊富なので、聴いているだけでも楽しいです。
ダウンロードはこちら。
ちなみにREASOユーザーじゃないあなたもご安心ください。
こちらで通常のVST版も無料で入手できます。GUIがちょっと違うっぽいですが、その威力は堪能できると思います。
同梱の「VIRT VEREOR」や「RUINA」についてもぼちぼち調べて共有しますね。
書籍関連
シンセサイザーの音作りには、文中で取り扱ったようなADSRやオシレーター、フィルターなどなど複数の項目があります。
一番はアナログシンセの実機を触りながら出てきた音の変化を聴くのが最適だと思いますが、
予算や置く場所問題でおいそれとアナログシンセは導入できない場合もあります。
そんなとき、お手元に一冊シンセ関連の書籍があると便利ですよ。
私は99の方を電子書籍で見ながら、ソフトウェアのアナログシンセで遊んでました。
ご参考までに。
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