22年の4月に界隈を賑わした「Soundwide設立記念プラグインパック」でいただいたエフェクターをいくつか紹介してきましたが、今回はこいつです。
顔面力が強い
Shadow Hills Mastering Compressor とは
実機のエミュレートで、バスドラムやアコースティックに挿すと良いようです。
ただ、CLASS Aと無印でかなり差がある様子。⇒差の検証動画(https://youtu.be/Le4KHG52RJ0)
PCにイヤホン直だと違いが分からない…
今回は無印の方の記事になります。
実機「Shadow Hills Industries Mastering Compressor」
お値段なんと168万円也!!
Radiohead、Foo Fighters、Beck、Green Day、Coldplay など、時代を超越した数えきれないほどのレコードで使われたそう。
特に「ディスクリート」であることが推しポイントのようなのだが、ディスクリートとはなんぞや?
要は「IC不使用」とのことで、通常IC1個で済むところを、わざわざICの中身を置き換えているもの。手間だが、交換・選別が可能なので、好みの音質を狙えるということか。(でもSSLはIC積みまくりらしい)
ディスクリートだと音が良いって本当かい?【マイクプリアンプ】 を参考にした私見です。
ディスクリートシミュレーション
Nickel, Iron, Steelから出力トランスを選べる…とかあるが、なにか意味があるのか?⇒オーディオ系のサイトはこちら。
…ともって出力トランスについて調べだしましたが、奥が深すぎて、かつ効果が微に入り細を穿つ感じでコテンパンにやられましたので、未来の自分にバトンを渡しました。
簡単に書くと、出力トランスで、微妙なサウンドの変化を生み出せるようです。(思考停止)
各ノブの説明
さてプラグイン版の「Shadow Hills Mastering Compressor」というと、その名の通りマスタリング用のコンプレッサーのようです。
コンプについてももっと知識を深めたいところ。
これもBrainworx製のようです。
オプティカルとディスクリートのいずれか、もしくは両方でコンプレッションの調整ができることが最大の特徴の様です。
オプティカルはLA-2Aで有名な光学式のコンプで、柔らかな効きに特徴があり、
ディスクリートは前述のとおりで、オプティカルに比べて大胆な効き。
それぞれのノブの役割を見ていきます。
重要な3つのスイッチ
1:オプティカルコンプのオン/オフ
その名の通り、オプトコンプに信号を通すか否かを選択するスイッチ。
INにすると「OPTICAL THRESHOLD」と「OPTICAL GAIN」で効きを調整できます。
オプトコンプはアタックやリリースがなく、スレッショルドとゲインのみ。
試しにオーケストラのストリングス音源に挿してやかましく鳴らしてみた。
スレッショルドゼロだと、やかましいままだが、スレッショルドを目一杯回すと、ゲインを最大にしてもキンキンした感じが抜けて、柔らかな印象に。
2:ディスクリートコンプのオン/オフ
ディスクリートコンプに通すか否かのスイッチ。
INにすると「DISCRETE RATIO」「DISCRETE ATTACK」「DISCRETE THRESHOLD」「DISCRETE RECOVER「DISCRETE GAIN」の5か所で効きを調整できます。
同じくオーケストラ音源でやかましく。
オプトよりかなりはっきり効果がでる。
効きを最大にすると、ほとんど聞こえなくなってしまう。
3:このマスタリングコンプ自体のバイパススイッチ
ここでバイパスにするかどうか選択できる。
(左上の電源マークでも可)
左右独立してコンプ設定したり、メーターも独立しているので、「左でオプト、右でディスクリートの効き具合をそれぞれチェック」といったことが可能。
マスタリングで左右でコンプ変える…ってことがあるのか…
比較
書いてる時点でめちゃくちゃ心配なのですが、REASONを使って音を比較してみます。
※今回は左右に分けての調整はしません。(「DUAL MONO」ではなく、「STEREO」のみ)
OPTICALのみ
「OPTICAL」をINにして、スレッショルド最大、ゲインは「18」にしてみました。
バスドラムの音がかなり変化しました。
通す前はどちらかと言うとエレクトロニックと言いますか、ドラムシンセっぽいバスドラムが、
オプトコンプを強めにかけることで、アコースティックな響きが加わった気がします。
意外な変化。
DISCRETEのみ
今度は「OPTICAL」はOUTにし、「DISCRETE」をIN。
スレッショルドとRATIO、そして「ATTACK」は遅め、「DISCRETE RECOVER」(リリースのようです)「GAIN」などなど、フルテンまではいかずともあえて全部強めにかけました。
ゲインアップしたものの、全体に音がつぶれてしまい、小さく迫力の無い印象に。
ゲインは高めにしつつ、アタックをやや早めに、レシオとスレッショルドは控えめにしたパターン。
デフォの状態とあんまり変わらない気がしますが、あえて言うならディスクリート通すと若干まとまる感じがします。
OPTセクションに比べ、効きがはっきりしていることが特徴でしょう。
どちらも
最後にどちらもINにして。
OPTICALのまろやかさと、DISCRETEの効きがうまい具合に混ざっている気がします。
これが真骨頂なのでしょうね。
感想
個人的にはオプティカルコンプの印象がちょっと変わりました。
…と言って、積極的にオプトコンプ使ったことがないだけなのですが、
その効き具合は良い経験になりました。
ただ、やはり「マスタリング」コンプレッサーと題するだけあって、単体でトラックに挿すのではなく、最終的なマスタリングの際に用いるものなのかな、とも思いました。
なので、このトラックを使って、素の場合とこのコンプを通した場合とを比較してみました。
Audacityに二つのトラックを取り込んで、前半30秒、後半30秒で切り取り、ひとつの音声トラックにしてあります。
どうでしょうか?
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