最近知りましたこのお方。
Airwindowsというお方で、プラグインを開発、公開されている方です。
最近Bandcampデビューを果たしたこともあって、自分の楽曲制作を見直すことも増えてきた最中、
KVRにていつものように「なんか刺激的なプラグインないかなー(全然見直せていない)」とかサーフィンしていると、
なにやらインターフェースレス?な、ぶっ飛んだプラグインを発見。
何の気に無しに調べてみると、どうやらとんでもないお方の様でした。
どうやらPatreonでのサポートを受けて開発を行っているようです。
GUIレスなのは、
- 「リスナーはミックスしてる奴のスクリーンなんか見えねーんだから見た目なんかどうでもいいだろ」(出展)
- 信頼性が大幅に向上するためです(showstopperのバグを含む多くのオーディオプラグインのバグは、GUI部分に関係しています)(出展)
という理由からだそうです。
めちゃくちゃ最高ですね。(いろんな意味で)
確かにカッチョいいGUIは制作意欲あがりますが、リスナーからしたら我々DTMerのDAW上の画面なんて何にも関係ないですもんね汗
ということで、彼の開発するプラグイン達は、軒並みインターフェースが無く、数字の上げ下げのみ。
私の使っているREASON上ではこんな感じです。
Airwindows Starter Kit 2022
このかた、ほんとユーモラスなんだと思います。
ご自身の多様なプラグインをまとめた「スターターキット」なるものをご用意されています。
中身はこんな感じ。
(名前からAirwindowsによるそれぞれの解説動画へ飛びます。)
- Baxandall
- Capacitor2
- Channel9
- ClipOnly2
- Console7Buss
- Console7Cascade
- Console7Channel
- Debess
- Focus
- Galactic
- Hypersonic
- Interstage
- Monitoring
- Pressure5
- PurestGain
- Srsly2
- Verbity
※プラグイン名の後ろに「64」が全部ついていましたが、おそらく64bitという事だろうと考え省きました。
名前でなんとなーくは用途は想像つきますが、ひとつずつ見ていきましょう。
変化を見る用の音源はこちら。
ピークが赤くなるかならないかくらいまで、適当に音量調整だけしています。
GUIが本当に数値しかないので、アナライザー使って変化を見てみたいと思います。
Baxandall
Baxandall is an EQ. It’s got treble and bass controls, and is very forgiving, a great ‘broad stroke’ tonal balance fixer.
How to use.txtより
EQとのこと。
Baxandall?ちょっと存じ上げなかったので、調べてみると、
どうやらBAXANDALLさんという方が考えたトーンコントロールの回路があるらしく、それを搭載したシンプルなEQが存在するようです。
シンプルに高音と低音のみをコントロールするシェルビングEQ。
※シェルビング・タイプ:「ここから先をカット」のような感じで、指定した帯域から先に影響を及ぼすタイプのEQ。ローパス、ハイパスフィルター的な感じだが、効きが滑らかだとか。
パラメーター
- Treble
- Bass
- Output
聴き比べ
パッと聴いた印象はどうでしょうか?
「Treble」も「Bass」も、元の50から少し下げましたが、
音の輪郭がくっきりとしたような印象を受けませんか?
パラメーターを下げてこれなので、Baxandall自体に「味」があるのかもしれませんね。
Capacitor2
Capacitor2 is an EQ. It’s got highpass and lowpass controls: rather than generally boost or cut highs and lows, it’s more about making the treble or bass just stop at a certain point. It also reacts well to automation.
How to use.txtより
Baxandallと同じくEQとのこと。
Baxandallと異なり、ハイパス・ローパスのコントロールが付いているとのことですが、私には「EQ」というより、効きのジェントルなフィルターと感じました。
先生の動画を拝見するに、ローパス・ハイパスを徐々にいじり、さらにDRY/WETも操ることで、なんとも興味深いサウンドを展開されていました。(流れているサウンドも良い感じ)
テキストにある様に、オートメイションと好相性だと思いますし、フィジカルコントローラーにアサインしてのパフォーマンスにも良さそうです。
ちなみに「Capacitor」って電子工作してた時は「コンデンサ」と同じ意味だと聞きかじりましたが、
Airwindows先生も「アナログモデリングを組み込んだ」と仰せなので、無関係ではないでしょう。
パラメーター
- Lowpass
- Highpass
- Nonlin
- Dry/Wet
※「Nonlin」の意味が分からなかったのですが、使ってみるとブーストされているような印象を受けましたが、動画の中の5:00あたりで先生がおっしゃるにダイナミクスは何も作用していないとのことで、自分の拙い耳では何が起きているのか…
聴き比べ
どちらのフィルターも柔らかな効き。
Channel9
Channel9 is a subtle ‘analogifier’ that applies saturation boosts, subtle highpass filtering, and slew clipping.
How to use.txtより
『Channel9は「analogifier」である。』
いやー「アナライザー」か「アナログフィルター」の誤植かと思いましたが、
「analogify」ね。「アナログ感足しますマシン」ね。
先生のお言葉は読み解くのに難儀しますね…
サチュレーション、ハイパスフィルターがついているので、「アナログフレーバー」を追加できるようです。
パラメーター
- Console
- Drive
- Output
※「Console」が良くわかりませんでしたが、どうやら「SSL」「Mackie」など、実機の「フレーバー」をここでプルダウンで選択できるようですが、REASONでは0~100の数値しか確認できませんでした。
聴き比べ
DriveをMAXにしましたが、かなり煌びやかな、暖かな雰囲気が加わります。
シンセあたりが波形的にも表情豊かになっておりました。
FOCUS
Focus is sort of an EQ. It specializes in the sensitive midrange and helps stuff cut through a mix. It distorts only mids, so you can get aggressive sounds out of it without aliasing. (It can also be used inside Console for an old-school tube-console raucousness and energy, as shown in the video)
How to use.txtより
ある種のEQとのこと。(EQ多いな。)
ミッドレンジに特化され、エイリアシング抜きでサウンドを際立たせることができるそう。
もちろん動画を見なさいとAirwindows先生は仰いますが、これはギタートラックに挿しこんで、
好きに調整するのが良いでしょう。
Don’t think of it like an EQ
https://www.airwindows.com/focus/
サイトではEQと考えるなとあります。(どっちやねん)
パラメーター
- Boost
- Focus
- Mode
- Output
- Dry/Wet
聴き比べ
「Boost」で歪ませ具合、「Focus」で通過させる帯域幅を増減できるようです。
その名の通り、狙った所に「フォーカス」して歪ませることができます。
テストでは、とりあえず「Boost」をMAX。
ギタートラックだけを聴きながら「Focus」と「Mode」で良さげな歪みを見つけて、といった感じで調整しました。
Cliponly2
これは挿すだけ!パラメーターありません。
ClipOnly2 is one of the best ‘harshness reducing’ output clippers you could find, but Console7 already clips at mostly the same level.
How to use.txtより
トラックのクリッピングを抑えてくれるプラグインとのこと。
クリッピングしない限りは音に影響を与えないので、どこでも使える素晴らしいヤツ。
試しにヴォリュームを無駄に大きくしたギタートラックに挿してみると、見事にピークアウトしなくなりました。
どういう仕組みなんだ…
まとめ
テキストファイルで「how to use」とは書いているが、冒頭に「これはチートシートです」とあるので、先生の仰る通り、使い方は先生の動画を見ましょう。全編もちろん英語ですが、翻訳して刮目せよ!
コメント