前回に引き続き、Plugin Allianceのプレゼントでいただいたプラグインの記事です。
Black Box Analog Design HG-2とは
パッと見た印象は、
え?真空管アンプ?
という感じ。
マニュアルのイントロダクションを読むとこんな感じ。
HG-2は単なるディストーションボックスではなく、微妙なハーモニックカラーリングと
忠実度を損なうことなく輝き、または完全に変化する鮮やかな彩度を追加します。ミキシング、マスタリング、デザインのいずれの場合でも、HG-2は美しいサウンドを与えることに優れています。知覚されるラウドネスとマッサージを増やしながら、キャラクターとカリスマ性をトラックに取り入れます
マニュアル「INTRODUCTION:」より一部抜粋しGoogle翻訳
さまざまなチューブフレーバーのスモーガスボードであるHG-2は、4つの異なる真空管ステージをエミュレートします。エミュレートされた6U8A五極管と三極真空管は、プラグインを暖めるバターの仮想変圧器の間に直列に配置されます。
マニュアル「PAINT TRACKS WITH DIFFERENT COLORS」より一部抜粋しGoogle翻訳
な…なるほどわからん。
まぁGUI見るに「SATURATION」ともありますし、真空管をエミュレートしている事は確実なので、サチュレーター的なものと理解して進めていきます。
使い方
マニュアルには「ミキシング、マスタリング、デザインのいずれの場合でも…」と記載があるので、どこに差し込んでも使えるのでしょう。
単なるサチュレーターなら、ドラムやベース、ピアノなどに挿して存在感を増す、ということになるでしょうが、こいつはどうでしょうか。
おおまかに左右のブロックに分かれているようなので、それぞれ見ていきます。
左側
ON/OFF
読んで字の如し。
SAT.FREQ.
3段階から選択。これが結構重要そう。
「FLAT」だと全体に満遍なく作用。
「LOW」では低中音域、低音域のみに作用し、厚みと重みを加えてくれるそう。
「HIGH」は中高周波のみに作用し、シズル、プレゼンス、トップエンドを追加してくれますとのこと。(シズル気になる)
SATURATION
メインシグナルパスに信号を送る量。
PENTODE
5極管をエミュレートした「PENTODE」を動かす量。
PENTA=5を表すギリシャ語。
5極ある真空管のことで、3極管(トライオード)に比べトランジェント(音の立ち上がり)が早くエッジィという特徴があるらしい。
偶数次の倍音をもたらすようで、心地良い効きのサチュレーションとのこと。
BlackBoxではPENTODEとTRIODEを直列に繋いであるようで、PENTODEの効きを強くすると、TRI ODEもより強まるようです。
IN/OUT
並列にサチュレーションを掛けるか否かのスイッチ。
並列の意味が分からない…
ALT TUBE
12AX7真空管(これに積んでる2本のことか?)を切り替えるスイッチ。
オンにすると、少し積極的に色付けされ、ワイドレンジなトーンとサチュレーションがかかるとのこと。
サチュレーションチューブのみ切り替える、とありますが、なんのことやら…
右側
TRIODE
三極管(トライオード)を駆動する割合。
3次の、オーディオテープに見られるような粗いタイプの高調波を生成してくれるそう。
ナンノコッチャ…
AIR
高周波の「エア」リフトのオンオフ。
AIR AMOUNT
サチュレーション後の周波数を10kHz前後にする割合。実機ではボタンのオンオフのみらしいが…
BYPASS
バイパス。
OUTPUT
最終的な出力。
検証方法
今回も自分のトラックに差し込んで、その変化をみてみたいと思います。
材料はこちら。
すでにドラムにBerzerk Distortionが入っていて歪んでいる事に加え、テープシミュレーターまで差し込んでいるので、ちょっと分かりにくいかもしれませんが、ドラムが印象的なトラックなので、とりあえず…
サンプラーからの音に「BlackBox」⇒「Berzerk Distortion」⇒「Tape MELLO-Fi」で試してみます。
※なんとなく音源に近い方に挿しました。
プリセットの「Drums‼」使用
まろやかに歪んでいるようには感じられます。
特にバスドラムは真空管を思わせるようなザラツキが付与されています。
耳だけじゃ不安だったので、Signalizerで分析。
赤がDRY音で、水色がWETです。
ほんのり色付けがされているのが分かります。
結果
聞き比べてみてどうでしょうか。
これも前回のFocusriteと同じく、1個挿しただけでトラックが化ける魔法のプラグインではなく、しっかりと全体のバランスを見て使わないといけないように感じました。
ただ、真空管的な温かみあるサチュレーションは活躍の場も多いと思いますので、積極的に使っていって、特徴をさらに掴んでいこうと思います。
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