クラシック 、ビンテージなセミモジュラータイプのシンセガジェットです。野太いベースサウンドを得意としています。素の波形とフィルターによるオーソドックスでかつ深い減算シンセシスはもちろんですが、パッチング次第で様々に変化するサウンドも楽しめます。
KORG Gadget2 説明文より
愛用DAWはREASONなのですが、昨年からそのあまりのポータビリティと気軽さから、KORG社の「Gadget2」もちょくちょく使用しているFrederickSumです。
「Gadget2」自体は、シーケンサーと音源でシンプルに作曲!という感じで、REASONみたいに「このケーブルここにつないだり…あ、このエフェクト面白そう!」とかで結局作曲は全然進まない…みたいな沼に陥りずらいという点で、とても頼りになります(論点おかしい)。
ですが、それぞれの音源(ガジェットと呼ばれる)をちゃんと把握していないというのも事実。
そこでこの記事では、中でも私の気を惹く憎い奴「DUBLIN」について、(自分のために)調べてみようと思う。
セミモジュラーシンセって?
モジュラーシンセは知ってます(嘘)。
機能ごとに細切れにされたモジュールを、これまた細い線で繋いでいき、色々な音を出して楽しむ金持ちの道楽ですよね?(偏見)
…というのは冗談で、(あながち嘘でも無い。お金がかかるのは本当)まぁREAONそれ自体がモジュラーシンセのソフト版みたいなものなので、雰囲気は分かります。
それの「セミ」ということは、何か機能が限定されていたり…ってことかな?
色々調べてみると、
単体でオシレーターやLFO、フィルターが備わっており、それ単体に入出力信号が付いていたり、パッチング(線を繋ぐ事)が必須では無いもの
…と考えて良さそうです。
DUBLINを見ても、裏のpatchbay側でケーブル繋がなくても音出ますしね。
DUBLIN表面概観
左から順に行きましょう。
VCO
いきなり知らない言葉来た。
Voltage Controlled Oscillatorの略。つまりはオシレーターですね。オシレーターについては過去に書きました。
デジタルシンセのオシレーターと違いは、本物のアナログシンセのVCOは、入力が無くても常に音を発振・出力し続けるということだろうか。
(DUBLINはデジタルで再現したアナログなので、入力=キーボードを押さないと音はでません)
DUBLINにはこのオシレーターが2系統各3種類搭載されている。音の感じは昔動画にしたのでそちらを参考にされたい。
これらを「SHAPE」「SCALE」の2種のノブを使って音色を調整します。
※「SHAPEノブいじっても音変わらねー!」と思ったせっかちなあなた。私とお友達ですね。どうやらこの項目は、saveformが矩形波の時にしか効果が無いようです。この音色変化が楽しいので、ぜひやってみてください!
※ちなみに、「サイン波が無いじゃん!」となったあなた。同じGadgetの「chiangMai」を開いてみてください。ちゃんとオシレーター部にありますよ。
VCO2には「TUNE」が付いていますので、微妙な音程調整ができます。音に厚みを付けるには必須と言ってもいいかも?
MIXER
これは読んで字の如しですね。
VCO1とVCO2の出音をどれくらいの割合で出力するのかをここで調整します。
ちなみに一般的にはオシレーター部に配置される「NOISE」もここで調整できます。
VCF
Voltage-Controlled Filterの略。
アナログシンセの各機能には頭に「VC」が付くのが決まりなのでしょうか?
まぁフィルターです。
ここには「CUTOFF」と「PEAK」と「KBD.AMT」の3項目を使ってオシレーター側から出た音を削っていきます。
フィルターには一般的に「LPF」や「HPF」、「BPF」などがあるのですが、DUBLINの「CUTOFF」はどうやら「LPF」=ローパスフィルターの一本のみのようです。
「ローパス」の文字の如く音の低い成分のみを通過させるフィルターで、動かすと高い成分の音が削られていきます。
今回初めて知ったのですが、アナログシンセに「サイン波」(正確には正弦波)のオシレーターが無い理由は、フィルターでカットすべき倍音が無いからだそうです。音作りの余地がないなら、そもそも搭載しませんよねすみませんでした。
「PEAK」は一般的にはRESONANCE(レゾナンス)と呼ばれるパラメーターで、カットする音域周辺の音の成分が強調される度合いを調整します。
「KBD.AMT」は正直よくわかりません汗。マニュアル曰く「キーボード・トラックによる「カットオフ周波数の変化量」を設定します。」だそうです。
なに言ってるか分からんあなたはおそらく正しいので、ぜひGadgetをインストールしていじってみてください。
VCA
Voltage-Controlled Amplifierの略。
おきまりのVCがついてますが、要はアンプですね。
でもDUBLINのここにはADSRのノブが配されています。詳細は省きますが、これらはEG=Envelope Generatorとも呼ばれ、音量の時間的変化を調整します。多分搭載されていないシンセは少ないと思います。
裏側=パッチベイ側にもEGが搭載されているので、パッチングすることで他の部分にもフィルターをかけることが可能です。
MASTER
「Volume」はそのままアウトプット音量。
「DRIVE」はドライブ、サチュレーションかな?
「TONE」で音色の明るさを調整できます。
まとめ
とりあえず表面はこのような感じです。
一般的なアナログシンセの項目がチョイスされているので、これらを理解しておくと音作りがやりやすくなりそうです。
「モジュラー」であるかどうかは表面だけでは何とも言えないので、次回「裏面」の記事で勉強します。
圧巻!
参考Amazon
セミモジュラーシンセのベストセラー
MS-404 の後継機種として発売された初代 Dark Energyの三代目。太いVCOやCV出力やUSB-MIDIも搭載。入門としても、マニアックな方にもおすすめできる手堅いチョイスです。
今最もお手軽なセミモジュラー
最近ちょっと気になっているKORGのvolcaシリーズ。その中でも異色のシンセがこちら。パッチケーブルを繋ぐ感覚がお手軽に体験でき、しかもスピーカー搭載・電池駆動とエントリーとして最高!
Gadgetやるならこのコントローラー
私は持ってませんが、同シリーズの「NanoKeyStudio」は使ってまして、もう手放せません。いずれこっちも買いたいです。
参考サイト
- KORGヘルプ「ガジェット・ガイド」
- Wikipedia「VCF」
- GADGET-JUNKIES.NETさん「KORG Gadgetで学ぶ「かんたん」シンセ入門」
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%B3
余談
ダブリンって
Gadgetの音源はそれぞれ実在の都市名が名前に使われてたりしますが、これもそのひとつ。
アイルランドの首都で、国内最大の都市。重要な金融センターでもあるようです。
宇宙世紀0088年、マシュマー・セロの野郎がコロニー落しをした場所もここです。
コメント