鳥の目玉のような端末が明滅する。
見ているのか、見られているのか。
苦悶の表情を浮かべる男女の顔。
これが愛。
美しい偽りの天使が微笑みかけ、「お前たちは幸せだ幸福だ。これが愛だ」と耳元で囁く。
心臓を貫く言葉の矢。
ノイズに埋もれる景色。
美しい顔の天使は、無表情に矢を射かける。
飢えた子らは、与えられた愛を無邪気に食いちぎる。
木漏れ日。
迷う私と愛し合う二人。
空の向こうを雲がにこやかに過ぎ去っていく。
雲の目がこちらを睨む。
なぜだ。
希望の光に満ちた扉が開きかけている。
迷う私と愛し合う二人。
睨まれ、恐れる私は、扉を壊す。
希望の光?
ウソだ。
光は希望ではない。
希望は胸の中にあるのだ。
扉をぶち破った先にあるのだ。
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