新作をリリースしました。
なにはともあれお聴きいただきたいのですが、ここでは製作の背景や機材など。
使用機材
今回はフィールドレコーディングを主に使用した作品となりました。
レコーダー:tascam DR-05
中古でゲットしたリニアPCMレコーダー。
軽くて便利です。
風防(自作)を付けた事で、風の音に悩まされずに録音ができてはかどっています。
DAW:REASON10
フィールドレコーディングした音源のマスタリングにREASONってどうなんでしょうか。
Brainworxの「bx_console Focusrite」で音源のイコライジングを行い、「bx_masterdesk」と「Ozone 8 Elements」を通して出力しました。
モニタリングヘッドホン:オーディオテクニカ ATH-PRO500MK2
現場での音のモニタリングはこちらを使用。
本当はもっとお手軽な方が良いかも。iPhone付属のイヤホンでも良いのかもしれませんが、気分でこちらに。
製作背景
興味
フィールドレコーディングに昨年あたりから興味を持ち、
KMRUさんの動画や、柳沢英輔さんの作品や書籍やインタビューなどを拝見したりと、独学バリバリですが少しずつ調べておりました。
界隈では写真になぞらえて「phonograph(フォノグラフ)」なんて言葉もあるようで、
「その場の音を切り取る」「それを作品にする」という手法が、元々好きなヒップホップの「サンプリング」的な手法に似ているな―と思っており、とても親近感がありました。
実際にやってみると、目では見えない分、余計にその場の情景を想像する過程が結構面白くて、
レコーダーを入手してからは取り留めもなく録音しておりました。
課題
ただ、やっぱり自然の中で音を取ると、どうしても風の音が入ってしまって、あとで聴き返すとどうしても「ボー」という風の音の主張が強く、それでモチベーションがダウンしていました。
そこで先日風防を自作したところ、これが思いのほか効果があり、モチベ回復。
その足で車を走らせ、とある温泉が湧いている山の中でいくつか録音をしてみたという訳でした。
音源選び
色々と場所や情景を変えて録音してみましたが、
今回はあまり人間の気配がしない、
- 木や葉っぱ
- 鳥の鳴き声
- 川のせせらぎ
- 虫の音
などが多く入っている音源をチョイスしました。
途中おひとり地元の方が歩いていかれましたが、それも景色の一部かな?と思って、特にカットはしていません。
狙った音を取るのはとても難しいですが、今は行ける範囲・録れる範囲でやってみようと思っています。
調整(イコライジングとマスタリング)
録音レベルとか一応気を付けてはいたのですが、実際にDAWに入れ込んでみると「音が小さい!」となってしまい、ちょっと焦りました。
ただ、これはダイナミックレンジが広いからだ、色々な音が入っているはずだ、と信じてそのまま作業。
マスタリングプラグインの記事で、その大切さは痛感していましたし、
単なるその場の録音が、マスタリングを通じてこそ「作品」に変わると思いました。
focusriteでまずは70Hzあたりまではバッサリカット。振動のような音だけだったので、今回はここは聴かせない判断。(これが風の音かもしれませんが、やむを得ず)
逆に中域(~13kHzあたり)は、虫や鳥の鳴き声、近くを流れる小さな川のせせらぎなど、色々な音が含まれていたので、ちょっとブースト気味。
bx_masterdeskで少し音を明るい印象にし、REASONの「Stereo Imager」で低域はモノラル寄り、高域をステレオ寄りに色付け。
その後「Maximizer」と「Ozone 8 Elements」を通しました。
「Ozone 8 Elements」は自動でマスタリングをしてくれる便利ツールなのですが、だいたい私のイメージより激しい感じ(使いこなせていないだけです)になるので、1回Ozone先生のやりたいようにやっていただいてから、自分好みにイコライジングを調整しました。(こちらにもマキシマイザーがついていたので、やっぱりちょっと圧が強くなってしまったかもしれません。ここは次回に活かしたい)
あとはせっかくREASONを使っているので、「らしさ」ということで、ミキサー備え付けのマスターバスコンプもONにしています。このあたりはもう完全に私の趣味です。
タイトルの「cosmos a」について
言葉が大きくてお恥ずかしいのですが、お花のコスモス、というより、宇宙とか哲学とか、そっちの意味の「コスモス」です。
音を録音していて、5分とかその場に立ちっぱなしなのですが、
その間普段あまりじっくりと見ないような木々のざわめきや虫の動き、鳥の羽ばたきなどなど、
身近なようで遠くなってしまった「自然」に思いを馳せていました。
こういう音や景色や光など、全部まとめて大きなシステムだよなーと思う事は多々あるのですが、
私が録音して、編集して、ネットに解き放ったコイツも、その自然が派生したものだと思って、
でっかく「コスモス」としました。
ただ、やっぱり宇宙の真理を提言した!…とまではとてもとても言えないので、後ろに「コスモスの一部ですよー」という意味で「a」を付けました。その後「b」「c」と続く予定です。
後記とそのほかの作品
ということで、いかがでしたでしょうか。
なんか狙って作っているように見えるかもしれませんが、録音中は山をウロウロ、DAWの前ではノブをぐりぐりしていただけで、結果このような作品になった、というのが正しいです。
どういう作品が聴いてもらえるか、そういったところまでは全然知恵が回っていませんので、勉強しつつ、作りつつ、それを振り返りつつ続けていきたいと思います。
そのほかの作品
2022.10.21 cosmos bが出来ました。
ここ数週間は、以下の作品を聴いていただけているようです。
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