「artifact adventure」なるゲームをご存じだろうか?
画像をご覧の通り、クラシカルな雰囲気のゲームで、だがそれだけではない魅力があり非常におすすめなので、レビューを書いてみた。
この作品は後に外伝が出ており、そちらもクリア&レビュー済みなので、気になる方はそちらの記事もどうぞ。
私はこの時は14時間ほどプレイ。その後クリアしております。
ネタバレナシです。
概要
懐かしくて、新しい、レトロなスタイルのフリーシナリオRPGです。冒険は、ゲームの流れを大きく変える3つの選択から始まります。
ストアページより引用
世界を自由に飛び回れる【飛行船 】
特別な能力を与えてくれる【アーティファクト】
世界の謎にせまることができる【時の鍵】
旅の中で遭遇するクエストには、自由度の高い選択肢が用意されています。
多くはプレイヤーの選択によって結末が異なり、プレイヤーの数だけ物語が綴られていきます。
いかなる選択肢を選ぼうとも、ゲームクリアが可能です。
冒険の最後には、70以上のシーンから成るエンディングがあり、その数はなんと100以上に及びます。
様々な選択と困難を乗り越え、このゲームの真実を見つけ出してみてください。
ファミコン時代の有名RPG然とした見た目、システムに騙されてはいけない。
そこにあるのはどこか絶望的な、虚しさの漂う不穏な世界。
前向きに生きようとする人々の間に隠れ、しかし確実にそこにいる狡猾な者たち。
彼らは時に善良な市民を搾取し、栄光へ向かう勇者を悪の道に引き込まんと手招きする。
だが果たしてそれは純粋な意味で「悪」なのだろうか?
彼らも必死に運命にあらがい、この百鬼夜行する厳しい世界を生き抜こうと足掻いているのではないのか?
ゲームパッド推奨
ちなみにLogicoolのゲームパッド(F310)を終始使用してプレイしました。
キーボードでも全然操作できますが、このグラフィックのゲームはやっぱコントローラー使いたい。
良い点
クラシカルなグラフィックに隠された闇
シンプルなドット絵と、昨今のヌルヌル3Dとは無縁の一枚絵で展開されるバトル。
そんな(意図的に)簡略化された映像を通じて否が応でも垣間見える不穏な空気。
それこそがこのゲーム最大の魅力だと感じました。
単純な勧善懲悪や絢爛豪華な絵で胡麻化した陳腐な物語に嫌気がさした方には、ぜひ一度じっくりとプレイしてほしいと感じます。
ただ単にクリアを目指すのではなく、人々のセリフや選択肢のひとつひとつをよく味わってほしい。
それらがどういう結末をもたらすのかまで、しっかりと見届けてほしい。
昨今の軟派な似非RPGでは決して描くことの出来ない残酷な顛末も登場し、
しかし必要最低限の表現に留められているため、こちらが脳内で補完することで初めて完成をみる物語。
人攫いのボスが言ったセリフ「お前がいくら頑張ったところで、俺たちは決していなくはならない」に対して、
システム的にもストーリー的にもまったく抵抗できないあたりに、この物語の狂気、いやリアリズムを感じました。
音楽
流れるBGMが全体的にアヤシイ&暗めなのも、こういう雰囲気を盛り上げ(下げ?)てくれる。
気になった方はぜひ動画を見てください。
おすすめです。
微妙な点
正直、この値段(定価で700円程度)でこのクオリティなので文句はありません。
文句言ったらいけません。
ですが世の厳しいゲーマー諸兄からは愛ある指摘もあるようなので、それをいくつか抜粋したい。
システム面・その他
ランダムエンカウントなのが結構不評を買っているようですが、古い時代のRPG世代としては特に違和感ありませんでした。
エンカウント率も丁度良い塩梅。
戦闘も「おまかせ」を選んでおけば、オートとはいきませんが物凄い速さで雑魚は一掃できますので、レベリングもそこまで苦ではありませんでした。
(しかしある程度のレベリングは必須。「おまかせ」もたまにお馬鹿さん)
戦闘スピードが速いのはおそらくそこらへんを意識して意図的に早められていると思います。
アーティファクトを一度選択してしまうと変更できない、取得前にどのような効果か不明などは、もう少しどうにかできなかったかなーと思わんではないですが(場合によっては難易度が大きく変わる)、そういうある意味突き放したシステムも、あえて制作者は残しているんでないでしょうか?
まぁアーティファクトの名前からヤマ勘で予想してもおおむね合っているとは思いますが(;^ω^)
マルチエンディングらしいので、おそらく周回プレイを想定してのバランスになっていると思いますので、そこは仕方ないのかなーとか。
まとめ
この記事は2020年4月24日にsteam上に寄せたレビュー記事を加筆修正したものです。
このあと、プラス7時間ほどしてクリアしました。
ですがイベントを網羅したとはとても言えず、まだまだ謎は多そうです。
今回は冒頭でアーティファクトを選択したので、これを「飛行艇」とか「ときのカギ」にしていたら、まだまだ楽しめそうです。
とにかく、このお値段でここまでのボリューム、買って損なしです。
リンク
私が書いたsteam作品の過去のレビューとかは一応こちらにまとめてあります。
※「アーティファクトアドヴェンチャーDX」という続編&デラックス版がSwitchで出ている(税込1000円!)ので、こっちを持っている方はもっと気軽にプレイできそうです。
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