音声入力における抵抗とコンデンサの役割

DTM

自作で「アナログミキサー作りたいなー」とか思って、色々調べている中で、

音声入力に「抵抗」「コンデンサ」を配置している回路図をよく見かける。

というかほとんど配置されている気がする。

参考:https://www.homemade-circuits.com/4-channel-dj-audio-mixer-circuit-part-1/

素人に毛が生えた程度のスキルしかないので、自作アナログミキサーは大苦戦中なのですが、

最近「3.5㎜ジャックにブレッドボードで音声のミックスはできるんじゃね?」的なズルい事を考えだしており、

比較方法

音源 ⇒ ブレッドボード ⇒ オーディオI/O ⇒ DAW 的な流れで、音の変化を聴いていきたいと思います。

条件は以下の感じ。

機材とか備考
音源Kastle (Bastl Instruments)400Hzあたりのオシレーターとして
抵抗1kΩの固定抵抗と50kΩの可変抵抗(Bカーブ)可変抵抗は変化させず、50kフルテン
コンデンサ0.1μF電解コンデンサ と 0.22μFのマイラコンデンサ
オーディオI/OUR22Cモノラル入力
DAWREASON10毎度おなじみSignlizerでチェック
音源はkastleさん
ブレッドボードはこんな感じ。

以上の条件を変えて比較してみます。

抵抗は1kΩの固定抵抗と50kの可変抵抗(50kΩ固定)を使用します。

コンデンサは1.0μFの電解コンデンサ(ノンポーラ)と0.22μFのマイラコンデンサの2種類。

果たしてどういう結果になるのでしょうか。

ブレッドボード直通

Kastleからそのままブレッドボードを通るだけ。

ブレッドボード通しただけ。
こんな感じです。

「∧X」や「∧Y」の値が、ピークの部分の周波数や音量だと思われます。

これを基準に見てみましょう。

抵抗のみ

1kΩ
50kΩ

直通の-5dBより、1kΩで-6dB、50kΩで-17dBとなっています。

音量が下がっただけ。まぁ「抵抗」なわけだから、これは分かりやすいですね。

コンデンサのみ

1.0μFノンポーラ電解コンデンサ
0.22μF マイラコンデンサ

一見何が変わったか分かりませんでした。

コンデンサで重要なのは「静電容量」容量が大きいほど、低音の再生に適しているそうです。容量が多いと高音域が多くカットされ、より丸みを帯びたサウンドとなるようです。

マイラコンデンサ:フィルムコンデンサと呼ぶ方が一般的?音質に関してはかなり諸説紛々の様子。癖が無いだの、音質が良いだの、まだ全然議論してるようです。私は電解コンデンサより見た目が好き。

電解コンデンサ:結構悪く書かれている感じ?フィルムコンデンサの方が良いように書かれているサイトが多いですが、フィルムコンデンサは大きいため、回路に組み込みにくいようです。

010コーヒー
010コーヒー

でもオーディオグレードのコンデンサは電解なんだよなぁ…

抵抗+コンデンサ

抵抗50kΩ+電解コンデンサ1.0μF
抵抗50kΩとマイラコンデンサ0.22μF

抵抗はやはり音量減少に直結。

コンデンサの影響はあまり見て取れませんでした。1.0μFの方が大きいので、高域カットされるはずですが、この条件ではあまり差が無いように感じます。

全部重ねてみた

目立つのは今のところ音量か変わるくらいか…

こちらの動画さんで非常に丁寧に検証していらっしゃいました。

私の検証状況と違うようですが、

コンデンサを使うと、種類によっては入力音声に歪みが生じるものの、

特にコンデンサは音質に影響しないようですね。

となると、ますますコンデンサを咬ませる意味が…

ともあれ、フィルムコンデンサを使うと、その歪もないようなので、「使うならフィルムコンデンサ」とは結論付けて良さそうです。(010COFFEE独断)

コンデンサの特性から見る搭載理由

010コーヒー
010コーヒー

やっぱりコンデンサ搭載の理由が分からない!

PONさん
PONさん

コンデンサの特性から考えると良いかもね。

しかし、「歪みが無い」ということであれば、「何も使用しない方がより歪みが無い」と言えるわけで、

やはり搭載理由が良くわかりません。

そこで、音質ではなく、そのほかに理由が考えられないか、仮定してみます。

コンデンサの特性

  • 直流は通さず、交流のみ通す
  • 電気(電荷)を蓄える性質がある

周波数の高い交流電流ほど通りやすい性質

コンデンサは、中に薄い金属板と電気を通さない絶縁体が入っていると思っています(見たことありません)。

直流だと、そこに電気が貯まって以降は流れることができないため、それ以上電荷が移動せず、流れなくなる。

交流は常に電流の方向が変わるので、コンデンサ内で放充電が行われ、電気が通っているように見えるそうだ。(参考

この特性から、コンデンサを電源として使う事もできるようです。(カメラのストロボがこれ)

またこの性質のため、周波数の高い交流電流ほど、通りやすい(く見える)そうです。

DTMで言うと、高い音は通りやすいとなるとハイパスフィルターのような役割があるのだろうか。

原音(青)とコンデンサのみ(紫、1.0マイクロ)を重ねてみた。むしろローは出ているように見えるが…

とりあえず単純にコンデンサを通した場合と、そうでない場合を比較してみると以下のようになりました。

0.22マイクロを通した時と、通さない時

オシレータを弄り、低い周波数から最大(3kHzあたり)まで出した結果、

コンデンサを通す時は7,000~9,000Hzあたりで顕著な減衰が見られました。

これはハイカット(ローパス)では…とまた悩みが増えました。

ノイズを除く

直流電流に含まれるノイズは周波数が高い交流成分のようで、コンデンサを通りやすい。(ちょっと意味が分かりません涙)

入力と出力の間に分岐回路をつくり、コンデンサ⇒GNDとすると、交流成分はコンデンサへ、直流は出力へと流れます。(参考

これをデカップリングコンデンサというようですが、これは後述。

私的にはこれがコンデンサを回路に仕込む最大の理由では、と睨んでおります。

試しにコンデンサのある場合とない場合で、ジャンパワイヤを抜き差ししまくって、

発生するノイズがどうなるかを調べてみました。

結構差がでました。

ブチブチうるさかったですが、コンデンサがある場合(写真の下側の薄い緑の線)の方が、圧倒的にノイズが少なかったです。(特に低域)

やはり、ミキサーはジャックを抜き差しすることが多いので、

そのノイズ対策、というのが設置の目的なのではないでしょうか。

010コーヒー
010コーヒー

これが一番納得しやすいな。

PONさん
PONさん

まぁ完全な理解は置いておいて、先人の知恵として、ありがたく使わせていただきましょう。

(おまけ)デカップリングコンデンサ

デカップリングコンデンサは、図のようにGND側にコンデンサを配置します。

こうすることで、ノイズ成分(交流)がGNDに逃げ、それ以外の部分が出力に流れるという寸法。

抵抗⇒電解コンデンサ⇒出力とGNDへ。

急激に音量が減少してしまうので、この後ろでオペアンプでの増幅は必須と思われますが、確かに綺麗に音が鳴っているように聞こえました。

ただ、オーディオI/Oでゲインを稼いでも、ちょっとノイジーだったことが気になります。

まぁ今回の実験でのGNDはKastleの入力に逃がしているので、正確な検証ではないこともあるかもしれません。

結論

010コーヒー
010コーヒー

正直な話、自作ミキサーはコスパが悪い気がしてなりません涙

おとなしくベリ様とかBastlのミキサー買った方が、遥かに高性能かつ幸せになれそうです。

PONさん
PONさん

まぁロマンを追い求めていきましょうよ。

010コーヒー
010コーヒー

SSL(SiX 6ch)っぽいけど6000円!?

PONさん
PONさん

グライコやファンタム電源、エフェクトも内蔵していてベリ様レベルの価格…

ユーザーいたら感想ください。

続き

010コーヒー
010コーヒー

続きあります!

コメント

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