4月に偶然手にしたこちらの本。
読了した感想をまとめてみようと思う。
全体の感想
氏の非常に内省的な性格、作品や世間との向き合い方がよく感じられた。
常に自身の内面に向き合い、時事に関しておかしいと感じた事を心のうちに溜めていき、それを作品として放出する。
世間で喧伝されるほど「映画監督であろう」とはしていない印象。
一方、どこまでいってもエンターテイナーたろうとする姿勢を強く感じた。
(常に、「若かりし頃舞台に立った経験・憧憬」が見え隠れし、それに殉じようとしているように見える。タップダンスも然り)
また、宇多丸氏がいつかの映画評でも話しておられたが、
「映画に愛されちゃった」という部分があるのかなと思った。
たけしさんが好きかは分からないが、自らが手掛ける作品を取り巻く環境や必要とされるスキル、支援者やリスナーなど、それらすべてと、北野氏自身の親和性?が高いようには見える。
数学者になりたかった、というのも、映画は感覚だけでは撮れないだろうから、
計算や数学的思考にも親しみがあることが、今の評価になっているのでは?
(合理的な思考と、日本のエンタメとの相性?)
また、国内の評価をあまり重視してないことも見てとれた。
これは書くまでもないが、「お笑い」としてのビートたけし像が先行し、
映画もそれなりと唾棄して正しく評価しようとしなかった挙句、海外の評価に追従して評価しようとしたメディアには、名言はしないが心底愛想を尽かしている。
こういう田舎者根性というか、「海外が評価した!」ということに追従してしまう島国根性は、
いつまでたっても抜けないことに、危機感を持った方が良いな、とも感じた。
これをどう活かすか
SNSを介して、地獄のようなヘイトが、クリエイターに直に届くようになってしまった昨今。
それに対する姿勢は、クリエイター人生の死活問題に直結する。
まともに聞いてしまったり、受け答えしてしまうだけで、ただでさえか細いイマジネーションの芽は確実にしぼんでしまうだろう。
「いざ」と腕まくりして討論しても、文脈を無視して一部を切り取られたりすると、
それが勝手に炎上、という交通事故みたいなことも起こり得る。
たけし氏のこういったメディアや評価に対するスタンスは、我々も考慮に値するのではなかろうか。
好きこそものの上手なれ、で済ませては元も子もないが、
少なくとも自分の表現したい事には常に真摯に向き合い、
ノイズをカットする事、生み出すことに集中しなくてはならないと感じた。
氏は仕事から帰宅してアトリエに取って返し、気付けば明け方まで絵を描いていたという。
一介のサラリーマンにそれは難しいが、氏も駆け出し~売れるまでは、それはできなかったライフスタイルだろう。
それに近づけることは意識してもよいのだと思う。
だから、今自分のしたいことは、ちょっと無理してもアウトプットしようと思う。
そして、それを前向きに評価してくれる人たちと歩んでいこうと思う。
実践
クリエイティブな企画を応援
彼らがこの本を読んでいらっしゃるかは存じ上げないが、
非常にクリエイティブな取り組みをしている方々がいる。
それについて、勝手ながら私の所見を語らせていただいた。
少しでも、彼らと後進の方々の「一歩」を後押し出来ていたら幸いです。
アウトプット
これも上の動画と同じくOneVinylBeatsさんの企画に勝手に参加したドキュメント。
近日解説予定…?
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