動画配信やゲーム実況をやっている皆さまは、夏場の配信環境はどうしていますか?
私は先日部屋用のに小型のスポットクーラーを導入し、やっと快適な環境で作業できる!となったのですが、その駆動音が意外に大きく、ゲーム実況の配信にノイズが乗ってしまう事態に発展…。
ノイズか暑さ、どちらかを我慢するという状況になっておりました。
部屋を涼しくしたいけれど、そうすると配信にはずっと「ブーン」というクーラーの駆動音が乗ってしまう…
もちろん、高い防音室や室外機を伴うクーラーを備える予算やスペースはない。
でも、音質は落としたくないし、ヘッドセットのスカスカした声にもしたくない!
今回は、そんな絶望的な状況から、「涼しさ」と「声の質」を両立させたい私のノイズ格闘記をお届けします。

010コーヒー
まぁ贅沢な悩みではあるのだが…

AIさん
大人しくヘッドセット買うか、普通のクーラー買えばいいんですけどね。

MAMENO
すでに撮っちゃった動画のノイズに関してはこちらの記事も参考にしてくださいね。
【はじめに】環境や目的
環境
今回検証する環境はこんな感じ。
- 部屋の大きさ:ざっくり3.5m×3mの6.5畳くらい
- エアコン:タンスのゲン スポットクーラー 2.3kW
- マイク:Tascam TM-80
- オーディオインターフェース:Steinberg UR22C
- 配信ソフト:OBS


010コーヒー
どうしても位置的にクーラーと対角線上にマイクが来てしまうのよ…
(補足)安易に「ヘッドセット購入」や「低音一律カット」をしてはいけない理由
ノイズに悩んだとき、ネットでよく見かけるアドバイスがこちら。
- 「3,000円〜5,000円のヘッドセットマイクに変えれば?」
- 「配信ソフトのイコライザーで低音(Low)を全部削れば?」

MAMENO
ちょっと待って。男性で声が低い配信者がこれをやるのは、少し考えたほうが良いですよ。
010コーヒーは男性なので、声が低めなのですが、低価格なヘッドセットマイクや、一律の低音カットは、男性の声の特徴である「声の太さ・温かみ・深み」まで一緒に消し去ってしまい、カサカサした軽い声になってしまいます。せっかく良いマイクを導入しても台無しです。
大事なのは、「男性の低い声(80Hz〜150Hz)は1ミリも傷つけず、クーラーのノイズだけを狙い撃ちする」こと。
【敵を知る】周波数解析でスポットクーラーのノイズを暴く
まずは、我が家のスポットクーラー(タンスのゲン 2.3kW)がどんな音を出しているのかを科学的に分析しました。
普段配信で使っているTASCAM TM-80を繋ぎ、リアルタイムでアナライズしてみた結果がこちらです。


010コーヒー
このとき、一度ZOOMのH4essentialでも録音してみたんだけど、波形が全然違った。部屋全体の音を拾うステレオマイクとモノラルのTM-80は聞いた時の印象が全く違う。ZOOMを配信用のマイクとして使うパターンも試してみてもいいかもしれない。
分析してわかったスポットクーラーノイズの正体は、主にこの2つでした。
- 50Hz周辺の巨大な山:コンプレッサーの地鳴りのような重低音
- 833Hz付近のピンと尖ったトゲ:ファンや金属パーツのキーンという共振音
幸いにも、男性の低い声のベース(100Hz周辺)とはズレていました。
(※ちなみに、OBSでVST3のOzone 11を動かすために、今回は「atkAudio Plugin」という無料ホストアプリを経由させています。導入方法などはこちらの記事様から)
検証ーOBS標準AI vs 外部プラグイン
リアルタイム配信でどれだけ実用的にノイズが消えるか、3つのパターンで録画して聴き比べてみました。
結論をまとめると以下のような感じ。
| ①フィルタなし | ②OBS標準 (RNNoise) | ③外部EQ (Ozone 11 Elements) | |
|---|---|---|---|
| ノイズ | もちろん変化なし(ブーンと鳴る音が気になる) | 非常に効果が高い (一瞬で背景が静寂に) | 微妙。何かモーターが回っているような音は残る。 |
| 声 | 本来のリッチな低音 | 話す瞬間に上のほうがカサカサ・シュワシュワする | 自然 (声の太さはそのまま残る) |
やはりOBSの標準AI(RNNoise)は優秀で、一瞬で背景を無音にしてくれます。
ただ、AIが「声」と「ノイズ」をハイスピードで仕分ける際、声の高音部とノイズの音の区別がうまくできていないようで、話しだすと声のまわりがカサカサ(シュワシュワ?)と歪んでしまうのがどうしても気になりました。
Ozone 11で50Hz以下をハイパスでごっそり削り、気になった833Hzあたりだけを極細のQ幅で削り落とした音は、声の自然さは維持できるものの、「ノイズが消えた」とは感じられませんでした。
※Ozone 11 Elementsが微妙なのは、私のスキル不足な気もする。適切に使えば、狙ったノイズは消せるはず?
【結論】現状で辿り着いた「ノイズ低減」の設定
上記以外にも、
- OBS標準のノイズ除去で低負荷のSpeex
- RNNoise → Ozone 11のパターン
- Ozone 11 → RNNoiseのパターン
というように、重ね掛けのパターンも見てみました。
試行錯誤の末、私が辿り着いた現状での最適解は「外部プラグイン(Ozone 11)」➔「OBS標準AI(RNNoise)」の合わせ技です。
合わせ技が最強である理由
イコライザー(Ozone 11)で先にノイズのトゲを徹底的に弱らせてからAIに通すことで、AIが「これは声か?ノイズか?」と仕分けに迷わなくなります。(AI談)
直感的には、まずはノイズリダクションを経由して、そのあとEQで好みに調整の方がいいのでは?と思っていたので、意外な結果でした。
こうすると、RNNoise単体で起きていた話しているときに生じる、上の方(高音)のカサカサ音も完全に消失。
「ノイズ低減」と「低音ボイス」が同時に手に入りました。

MAMENO
ちなみに、PCにRTXグラボが載っているなら、無料の「NVIDIA Broadcast」のAIを使うと、話しているときも100%自然な声のまま高精細にノイズだけを消し去ってくれるので、環境がある方はそちらが最も手っ取り早くておすすめです!

010コーヒー
こちらもダウンロード済みですので、今後検証するかもしれません。こちらの記事様も読ませていただいております!
【要追加検証】
今回は配信をせず、単に音声をノイズ環境で録音・録画したもので検証しております。
なので、配信やゲームを立ち上げての動作となると、RNNoiseでは負荷がかかり、そもそも配信しにくくなることも考えられます。
その際は低負荷のSpeexが候補上がってくると思います。その辺は今後配信をやりながら検証していく必要があるかもしれません。
こちらの記事様も参考にさせていただきました。
【OBS】ノイズ抑制はRNNoiseとSpeexどっち?違いと配信スタイル別の選び方
まとめ
高い防音室を買わなくても、手元にある機材の特性を理解し、正しい順番でプラグインをかけてあげるだけで、スポットクーラーをガンガン回しながらクリアな低音ボイスで雑談やゲーム配信ができるようになります。
夏の暑さを我慢して配信するのは健康にも良くありません!(本気)
価格を気にして涼しさを諦める前に、ぜひこのプラグインの「合わせ技」やリアルタイムAIを活用して、涼しく快適な配信ライフを手に入れてください!
【補足】お金で解決するなら、やっぱり「防音室」という最終兵器
ここまで「無料の設定で解決する方法」を解説してきましたが、これはあくまでソフト側での工夫です。
もし、「隣の部屋への音漏れも完全に防ぎたい」「一切のノイズを物理的にゼロにしたい」という予算に余裕があるガチ勢の方であれば、あれこれ悩むよりユニット型の防音室が良いかもしれません。
Yamahaなどの本格的なものは軽く50万〜100万円クラスになりますが、今はアマゾンで組み立てできるブース式のものもあるので、選択肢としては無しではないかなとも感じます。
集合住宅で部屋の壁が薄いが、ガンガン配信したい!というような方は、こっちになるかもですね。
「いやいや、配信を始めたばかりでそんな予算は出せない!」という方や静かに喋る系の方は、ぜひ今回紹介したイコライザーとAIノイズリダクションの組み合わせを試してみてください。

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