音楽を作るからには、聴いていて心地よい音楽を作りたい。
心地良い音楽。
それにはメロディーやらコード進行やら音色やら、色々な要素があると思う。
その中で、前から「周波数」的なものに興味があります。
音はもちろん、光も水も、なんなら万物揺れてるじゃん?という着眼点から、
そういう所を意識した音楽を作りたいと思っている。
ただ、周波数を「波動」や「共鳴」などで調べると、結構スピリチュアルよりな記事や発言も目立つ。
そういうのもあるかもしれませんが、あくまで自分は音楽として聴いていた時の心地よさのみに着目したい。
と言う訳で、ここでは「聴いていて心地良い周波数」と音楽の関係を分析してみたいと思う。
心地良い周波数と音楽とは
【注意】「心地良い」の定義も曖昧で、検証するのも私だけなので、そこのところご了承ください。
音楽
まず聴いていて心地良い音楽だが、安直に思い浮かぶものを並べてみる。
- クラシック(漠然w)
- アンビエント(漠然ww)
- 雅楽
- レゲエ
- 大人しめのヒップホップ
かなり私見が入っているが、こんなところか。
環境音
「音」そのものにも心地良さはある。
- 森の音
- ピアノ
- 風鈴
- オルゴール
- レコードのチップノイズ
- 水の流れる音
こちらは枚挙にいとまがない気がする。
各音楽や音の周波数の特徴
上にざざっと列挙したものは、私の経験から「心地良い」と感じているに過ぎない。
共通している部分を具体的に明らかにするためにも、
文明の利器の力を借りようと思う。
それぞれの音をDAWのアナライザーを通して、先日volca drumの波形を見た要領で、
共通点を探してみることにする。
そこの共通部分こそが、「人間が心地よい」と感じる周波数だと言えるのではないだろうか。
確認方法
音源があるもの
手元に音源や録音した素材がある場合は、そのままDAWにぶち込みます。
DAWに取り込み ⇒アナライザーで周波数チェック (= UR22C ⇒ ヘッドホンでヒアリング)
音源がないもの
検証したいけど、手元に録音した音源が無い場合は、ネット上で見つけて、それを分析させていただきます。
流れとしては以下の感じ。
(REASONがPCで鳴っている音を通すのが面倒なため)
iPad Pro ⇒ UR22C ⇒ DAW(REASON) ⇒ アナライザーで周波数チェック
使用機材
DAW
REASONを使います。
理由は私がREASONユーザーだからという至極シンプルなモノ。
ちなみにアップデート予算不足でまだREASON10です。
ヘッドホン
おそらくこれも大切。
audio-technicaのATH-PRO500MK2を使います。
オーディオインターフェース
音の入出力に使用します。
アナライザー
フリーのプラグインである「Signalizer」を使います。
REASONにもついているのでそれも使います。
iPad Pro
前述しましたが、REASONはPCで鳴っている音を取り込むのが手間です。
なのでYouTubeで鳴っている音は一旦iPad Proで鳴らして、オーディオインターフェースを介してREASONに取り込みます。
各機材の能力
「さて実践!」と行きたいところですが、各機材には周波数の限界、つまり「ここまでは再生/録音できますよ」という値が設定されています。
あらかじめそこも調べてみました。
- YouTubeの再生周波数:10~約16,000Hz
- iPadPro(ヘッドホン端子)の再生周波数:20~約20,000Hz
- UR22Cの周波数:20 Hz ~ 22,000Hz(UR22Cオペレーションマニュアルより)
- REASONのアナライザー:20Hz~20,000kHz
- Signalizerの周波数:10Hz~22,049Hz?
- ヘッドホン(ATH-PRO500MK2)の周波数:10~30,000Hz
YouTubeの再生周波数
モスキート音や30kHzなどのコンテンツもありましたが、
この音源をAudacityで録音し、WAVで書き出したもの分析すると以下のようになりました。
16kHzあたりからの減衰がかなり大きかったです。
Audacityで録音中も、この辺りから波形があやしくなり、後半は音が鳴っていないような波形でした。
YouTubeで「モスキート音が聞こえない!」と嘆いている方は、「そもそも鳴っていないかも」とご自分の耳を信じてください。
※この後別のサイトでモスキート音鳴らしたけど筆者は聞こえなかった( ;∀;)
iPad Pro 10.5インチ
ヘッドホン端子からUR22Cへライン接続。
手元のiPad Proがどこまで再生できるのかチェック。
アプリはRikki Systems Inc.様の「Sonic Tools 」の発振器を使って出力。
下が20Hzから、上は22kHzくらいまで出せるのですが、画像の通り、iPadから出力できたのは20Hz~およそ20kHzまでという感じでした。
UR22C(オーディオインターフェース)
結構これが肝心かなめな気がします。
入力するのも出力するのもこれ次第ですもんね。
カタログ上は22kHzまでと書いてありましたので、TascamのDR-05で録音した近場の公園の音で実験。
下の方の20Hzあたりは捉えられていますが、10kHz以上がちょっとこの素材じゃ分かりにくいですね。
22kHzまでしっかりと捉えられています。
カタログスペック通り、と考えて良さそうです。
REASONのアナライザー
REASONにも各トラックにアナライザーが搭載されています。
周波数帯は固定されており、20Hz~20kHzまで表示されています。
UR22Cと同じく風鈴の音を通したところ、15~16kHzあたりまではハッキリ分かりますが、22kHzは枠が無いので分からず。
Signalizerで事足りそうです。
Signalizer
フリーにも関わらず結構高機能そうなこのSignalizer。
デフォルトでは20Hz~20,000Hzくらいの表示ですが、ドラッグすると延々移動できました。
下は10Hzから、上は22,049Hzあたりまで、それ以上は表示が少しおかしくなりました。
ヘッドホン(ATH-PRO500MK2)
スペック上は30,000Hzまで再生できるようですが、現状これに耐え得る素材や再生機器が手元にないので検証できませんでした。
まぁ30kHzって聞こえない音な訳ですし、「余力がある」ということでしょうか。
続き
各機材の能力チェックだけで結構なボリュームになってしまったので、残りは次の記事へ。
色々な音楽を聴いて、その周波数を聴いて見てみようと思います。
参考記事
- YouTube ではなぜ 16kHz 以上の音がカットされるのか
- Signalizer: Oscilloscope update! Open-source & free audio visualization plugin
- 192kHz/24bitのハイレゾ無圧縮音源は本当に聴き分けられるものなのか?
おまけ
カセットテープ
ちょっと気になったので、手元にあったカセットのものも調べてみました。
イヤホン出力からラインでUR22Cへ。
音源は「マイ・ショール/ザビア・クガート」。80年代のカセットです。
60Hz後半から、10kHzくらいまでって感じ。
「ローファイ感」というのは案外こういうバランスなのかも?
プレーヤーはたぶんコレ。
レコード
本命はこれかもしれない。
PT01からライン出力⇒UR22C⇒REASONという流れ。
ソノシート
音源はハードオフで発掘しためちゃくちゃレガシーなこちら。
「映画音楽大全集」(1964年)の中から「エデンの東」のソノシートを再生。
3,000~4,000Hzあたりから減衰している感じ。
レコード
こちらはどこかのレコードショップで安売りしていたもの。
「Phineas Newborn Jr. Trio」(1964年)。期せずしてソノシートと同じ年(;’∀’)ちょっとレコードが歪んでいる。
こちらはソノシートとは大きく異なり10kHzあたりから減衰し、13kHzまでといった感じ。
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