OBSをアップデートしてちょっと気になりました。
うちのOBSって最適化されてる?
ちょっと見てみてもよいかもですね。
現在の状況
映像エンコーダは前回の時に変更して「AMD HW H.264(AVC)」というものに変えてあります。(「HW=ハードウェア」よね?)
「録画フォーマット」や「音声エンコーダ」は何も触っていません。
※ビットレートはなんとなく2500Kbpsを5000Kbpsに変えてありますが、あんまり意味ないかも?(後半で検証します)
「録画フォーマット」とは
OBSでは録画のフォーマットも選択できます。
耳慣れた「MP4」がベターのようですが、うちで出力されるファイルは「mkv」形式です。
見ると「mastroska video(.mkv)」となっています。
これ、「マトリョーシカ」と呼ばれるファイル形式、フォーマットのようで、動画、音声、字幕などなどマルチメディアを格納するためのもののようです。
MP4の方が対応したソフトは多いようですが、私が使っているDaVinci Resolveでは普通に使えています。(Premiere Proは非対応?)
mkv形式だと、OBSが途中でクラッシュしちゃっても無事に再生できるらしいです。
とりあえずここは「mkv」のままで良いか。
「映像エンコーダ」の「AVC」と「HEVC」の違いは?
以前こういう動画を作りましたが、その際は映像エンコーダをハードウェアに変えて満足していました。
ただ、同じ「AMD」でも、「AVC」と「HEVC」の2種類があることはスルーしておりました。
この二つは「コーデック」の違い
この「コーデック」が苦手なんですが、どうやらこの2つは圧縮率の違いのようです。
DaVinci Resolveのエンコードでも「H.264」と「H.265」の違いは体感した覚えがあります。
確か「H.265」の方が軽かったが、互換性が低かった…みたいな…
フワっとしてんな…
AVCとは
覚えなくても良さそうですが、AVC = Advanced Video Codingの略で、これが「H.264」という最も一般的な動画圧縮規格とのこと。
この「H.264」というのは、今は懐かしい「Aviutl」でも聞き覚えがあったので、なんとなく親しみがありました。
なので今まで気にせず使っていたのかも。
HEVCとは
これがあまり耳馴染みのない言葉だったので見ないようにしていたのですが、
HEVC = High Efficiency Video Coding の略。
(Efficiency = 効率)
H.264の後継として定められた企画で、2013年生まれらしい。
動画を高画質なまま、より高効率で圧縮できるらしい。(2倍)
以前DaVinci Resolveのエンコードで試した際に、ファイルサイズが小さくなったので喜んでいました。
ただ、やはりまだ新しい規格で、対応したソフトウェア、アプリケーションを用意しないといけないので、そこは注意。
「音声エンコーダ」とは
映像エンコーダはなんとなく「ハードウェアが強い」みたいなイメージを持っていたので把握しやすかったのですが、音声エンコーダはさっぱり。
音声をエンコードする方法なのでしょうが、これは何が最適解なのか。
- FFmpeg AAC
- FFmpeg ALAC (24-bit)
- FFmpeg FLAC (16-bit)
- FFmpeg Opus
- FFmpeg PCM (16‐bit)
- FFmpeg PCM (24‐bit)
- FFmpeg PCM (32‐bit float)
以上のような選択肢がプルダウンに出てきます。
32bitフロートは最近DTM界隈では聞きますね。
まず、FFmpeg自体がフリーウェアの映像や音声の変換にも使われるソフトの様です。(映像のAMDとかx264とかが、これ一本で済むって感じ?)
なのでここでの違いは「AAC」、「ALAC」、「FLAC」、「PCM」、「Opus」の5種類か。
音声コーデックについて
期せずして音声の方が文字数が多くなってきましたが、気にせずいきましょう。
この5種類、まずは「可逆」「非可逆」「非圧縮」の3枠に分けられるみたい。
可逆コーデック
「ロスレス」とも言われ、その名の通り可逆的な圧縮方法。元データを毀損せずに復元も可能。
以下の2種類だが、あんまり差はないかも。(圧縮率に差があるが、気になるほどじゃないかな)
ALAC
Apple Lossless Audio Codecの略。
その名の通り、アップル社が開発したコーデック。もともとはiTunes用だが、2011年にオープンソースへ。
FLAC
Free Lossless Audio Codecの略。
ALACと異なりオープンソースで開発。ハイレゾ音源でも標準的な音源として使われている。
非可逆コーデック
非可逆の名の通り、圧縮後には基に戻せず、音質も若干悪化するがファイルサイズは可逆よりも小さくなる。
別名「ロッシー」コーデックと言われ、元のサイズの1割くらいまで小さくできる。
AAC
Advanced Audio Codingの略。標準的なコーデックだった(今も?)MP3に比べて、高音質とされる。
地デジやBSデジタル放送もこれで、ビデオコーデックとセットで使われることが多い。
今まで私はずーーーーっとこれを使っていたようです。
Opus
オーパス。
主にネット上のインタラクティブ用途のフォーマット。
AACとあんまり差が無いようですが、低ビットレートではOpus、256Kbpsを超える高ビットレートではAACに軍配らしい。(藤本さんありがとう)
非圧縮コーデック
これも読んで字の如し。圧縮しないので、もちろん高音質だが、ファイルサイズが大きくなる。
音質重視なら、これ一択。
PCM
リニアPCMとも。
私の愛用するTascamのレコーダー「DR-05」ももちろんこれで録音されている。
音楽制作もしているので、基本これで録画したいが、無駄にファイルサイズが大きくなるのも避けたい。
気になるのはどれほどの差があるかだが…それは長くなりそうなので別の記事で。
24年1月、ファイルサイズだけ比較してみました。
レート制御
ビットレートは高い方が高画質というイメージなんですが、
安易に上げるとファイルサイズが鬼デカくなるので、適切な値にしたいもの。
ビットレート:1秒当たりのデータ量。単位はbpsで、Bit pre secondの略。
配信は「CBR=Constant Bitrate」の方が良く、録画なら「VBR=Variable Bitrate」の方が好ましいらしい。
OBSのプルダウンには以下の7つ。
- CBR= 固定ビットレート
- CQP = Constant Quantization Parameterの略で、「固定量子化パラメーター…なんのこっちゃ…(小さいほど高画質)
- VBR = 可変ビットレート
- VBR_LAT = VBR Latency Constrainedの略。「レイテンシの制約」の意で、VBRと基本同じだが、エンコード時に遅延が少ないらしい。
- QVBR = Quality Defined Variable Bit Rateの略。品質を維持しつつ、データ量を節約できる?
- HQVBR = High Quality VBR?
- HQCBR = High Quality GBR?
なんか皆さんCBRかCQP(NDIVIAユーザーが多い?)ようなので、CQPで試してみた。
比較
「CQPの値だけ変えて、1分録画」してみたところ、「CQP=20で28.4MB」「CQP=10で74.5MB」と、2.5倍近い差がありました。
一方、「CBRでビットレートを変えて、1分間録画してみたところ、「2500Kbpsで38.5MB」「4500Kbpsで53.2MB」。
ビットレートを増やすとファイルサイズが大きくなるのは当然だが、どちらもカクカク…
録画中のCPU使用率が高く警告が出たことが影響か。(17~18%と表示)
結論
出力モードを「詳細」ではなく、「基本」にして、録画品質を「高品質、ファイルサイズ中」、映像エンコーダ「ハードウェア(AMD、H.264)」で録画。
この時のファイルサイズが18MB。映像もスムース。
正直下手に弄るよりは、「基本」の状態で映像エンコーダと録画品質だけで調整した方が良さそう。
※ちなみに録画品質を「超高品質、ファイルサイズ大」にしてみると、ファイルサイズは54MB。動画もスムースだが、高品質とそこまで大きな差は無く感じた。そして無損失は…設定前にアラートが出るので今回はパス。(1分で7GBくらい使うらしい)
動画編集はAviutlからDaVinci Resolveに乗り換えましたが、控えめに言って最高なので、これから買う方は絶対Speed Editor付がおすすめ!
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